月の塔プロジェクト実行委員会(代表・プロデューサー・アーティスト:長坂真護、副代表・共同プロデューサー:橋爪紳也)は、2025年春に小豆島の「月の塔」を大阪・万博記念公園へ期間限定で移設するプロジェクトを発表いたしましたが、プロデューサーである長坂真護の健康上理由により、本プロジェクトを中止にする決断にいたりましたことをご報告いたします。ご関心を寄せてくださったすべての皆さまに多大なるご迷惑とご心配をお掛けしますこと、心よりお詫び申し上げます。
■プロデューサー/アーティスト 長坂真護 コメント全文
この度は、万博記念公園への「月の塔」の移設を楽しみにしていただいていた方々には、大変申し訳ありません。
年末のガーナ渡航中、スラムで活動している最中に40度を超える高熱が出てしまい、同時に右肩に激痛が走り、数週間苦しんでいました。ガーナでは原因が分からず、日本へ帰国後、病院で診察を受けたところ、「長胸神経麻痺」と診断されました。右腕の上方への動作が不自由になり、現在も障害が残っています。肩には、神経麻痺特有の症例である「翼状肩甲骨」が見られ、完治には1年前後かかると言われています。
まだ腕が麻痺して上がらず、いつものような活動ができず、制作も困難で大幅に減少している状況です。そのような中で、小豆島の「月の塔」を万博記念公園へ移設するための費用を、ガーナ帰国後にクラウドファンディングで集めようと考えていました。他の個展も控えており、制作は急ピッチで進める予定でしたが、気力よりも先に体が壊れてしまいました。
神経麻痺を克服するため、今年予定していた仕事の見直しを行い、クラウドファンディングの返礼品としてのアート制作の実行も困難であると判断いたしました。
期待してくださっていた皆様、本当に申し訳ありません。現在は仕事を減らし、神経麻痺克服に向けて全力で取り組んでおります。腕が完全に回復しましたら、また思いきりたくさん絵を描きたいと思っています。
右腕が麻痺したからといって、精神的に落ち込んではいません。スラム撲滅の夢への情熱は、全く冷めるどころか、ますます熱く燃え上がっています。必ず完治させますので、どうか今しばらくお待ちいただければ幸いです。
2025年3月吉日
美術家 長坂真護
■中止となったプロジェクト概要
月の塔 2025 in Expo’70 Commemorative Park(仮称)
・開催期間: 2025 年春(予定)
・場所: 万博記念公園 EXPO’70 パビリオン ピロティ(大阪府吹田市千里万博公園)
・主催: 月の塔プロジェクト実行委員会
※ギャラリーにて長坂真護作品展を併催予定
■「月の塔」 について
平和を祈るモニュメント「Moon Tower / 月の塔」の原型は、2015年に「みんなで太陽の塔展」にて発表した陶芸作品 《月の塔》。敬愛する岡本太郎氏が、長坂の故郷・福井にて陶芸作品 《月の顔》 を残したことから、《太陽の塔》からのメッセージに対する返信は、対極に位置する「月」と解釈し、同じく 《月の塔》 を越前市で制作されました。
2019年には、ガーナのスラム街・アグボグブロシースラムの人々と廃棄ペットボトルを集め、市民共創型のアート・モニュメント「Moon Tower」を制作し、以降毎年ガーナで「Moon Festival」を継続的に開催しています。2022年、大学、民間企業と技術連携し、3Dプリンター技術、植物由来のバイオフィラメント、廃ペットボトルの再利用、ソーラーパネル発電を利用した《月の塔》を小豆島で発表。