東京・日本橋で行われた美術展。並んでいたのは、笑顔を浮かべる男の子を描いた作品や、コミカルなキャラクターが描かれた作品。キャラクターの顔をよくみると、目は壊れたラジカセ、鼻はアイロンで表現されている。ここに展示されているのは「壊れた電化製品」を使ったアート作品。
制作したのは美術家の長坂 真護さん(39)。ゴミからつくる長坂さんのアートは、高値で取引されており、“先進国からの寄付”という名目で、大量にガーナに送られゴミになった古着をあしらった作品には、1億1000万円の値がついている。
きっかけは6年前。長坂さんは『先進国の電子ゴミが、ガーナのスラム街に捨てられている』という雑誌の記事を目にし、現地を訪れた。そこにいたのは、電子ゴミを野焼きし、焼け残った金属を売って生活する人々。その煙が原因で病気になり、命を落とす人もいるという現実を目の当たりにした。
長坂 真護さん
「スラム撲滅のために、この現状を先進国に伝える」
長坂さんは帰国後、現地に捨てられていたゴミを使って、アート作品を作り始めた。今年は550点の作品を作り上げ、8億円以上を売り上げた長坂さんの“ゴミアート”。なぜここまで精力的にアートを作るのか? 実は長坂さんには大きな目標があった。
長坂 真護さん
「(ガーナで)1万人雇用することが目的なんですね。1万人雇用すると、スラムの全体の雇用を生めるので、それが目的です」
ゴミアートの売り上げで、スラム街を変えようと挑戦を続ける長坂さん。そのためには、ガーナで雇用を生む事業を生み出すことが必要だ。アートの売り上げのほとんどを、その事業の立ち上げに注ぎ、試行錯誤している。そんな中、ガーナのプラスチックゴミを活用した新たな事業が始まろうとしていた――。
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